アメリカでの大学生活において、大学とパーティーの関係は切っても切り離すことができないほど頻繁にパーティーが行われています。
使いようによっては新しい人間関係を築いたり息抜きをすることができたり、悪い面ばかりではありませんが、問題もかなり頻繁に起こるので注意が必要です。
パーティーでは飲酒のみではなく、ドラッグに手を出す機会であったり、飲酒運転による事故の可能性もあります。レイプのような性犯罪の多くもパーティーでの飲酒が関係しています。
治安があまり良くないと評判されることも多いアメリカですが、場所によっても、パーティーの参加によっても安全面は大きく変わってきます。
子供を守る上で親が知っておくべきことをまとめました。
「What parents need to know about college drinking」というNational Institute on Alcohol Abuse and Alcoholismから出版されたパンフレットを参考にしています。
アメリカの大学で起こる飲酒による危険性とは?
多量のアルコール摂取による死亡
さすがに個人主義のアメリカでは日本のように先輩が無理やりお酒を飲ませて、死ぬということは多くありませんが、場を盛り上げるためのいくつかのゲームも存在し、その過程で人が死ぬこともあります。
21歳の誕生日(アメリカでは多くの州で21歳を飲酒制限としています)にバーに行き、記念に21杯のショット(ショットグラスにウォッカを入れたもの)を飲んで死亡した学生がいるという話を聞いたこともあります。
車社会のアメリカでは多くの人がパーティーに向かうために運転をしなくてはならないため、飲酒運転で亡くなる人も多いです。
性的暴行・レイプ
アメリカで起こるほとんどの性的暴行はパーティーでのレイプかデートレイプ(男女どちらかの望まない状況下での性行為)のどちらかです。パーティーに参加しない、よく知らない男性と二人きりにならないなど、留意深く気をつけていれば性的暴行を未然に防ぐことができます。
女性に対しての性的暴行の方が多いですが、男性にも起こることがあります。
学業成績の低下・停学・退学
過度な飲酒は成績の低下を招きます。直接退学になったという話はあまり聞きませんが、成績が下がれば退学せざるを得なくなります。学生ビザで滞在している留学生の身分で警察沙汰に巻き込まれると強制帰国も考えられます。
スポーツチームに所属している人であれば、数ヶ月間・シーズン中の出場停止というのは良くある話です。
奨学金をもらうに当たって、未成年の飲酒履歴や警察の逮捕歴はどこでも見られることなので注意しましょう。
ドラッグの危険性
「Weed」と呼ばれるマリファナは違法とされている地域でも簡単に手に入るようで、私の友達でも何人か使用している人を知っています。
一人は靴の中に入れて常に携帯していたり、高校内では薬物中毒発作で倒れる人がいるなど、身の回りに溢れています。
「酒と薬」なんて言ったりしますが、薬を目にする機会が多いのもパーティーの場です。私もパーティーで友達に勧められたことがあります。
カナダでは合法であったりと曖昧なドラッグではありますが、薬物であることには違いないので、気をつけるようにしましょう。
子供の飲酒を防ぐために親ができること
正しい大学を選ぶ
大学選びは飲酒を防ぐ上で非常に効果があります。「College Drinking Ranking」なんてGoogleで調べるとランキング形式で飲酒の多い大学が出てくるくらいで、簡単に調べることができます。
それぞれの大学にも飲酒についての規約があり、調べることができます。飲酒禁止の寮がある大学を選ぶといいでしょう。(禁止していても飲酒していることがあるようで、心配であれば大学のカウンセラーに確認してみるといいです)
他にも学生の卒業までにかかる年数「Average years to graduate」もしくは「Graduation Rate」という項目も注意してみてみてください。年数が長ければ長いほど、学生の飲酒の可能性が高いです。
ちなみに私の住んでいるアイオワ州にある大学「University of Iowa」は全米屈指のパーティー校として有名です。笑
大学探しについてはこの記事にまとめました。海外大学進学完全攻略!アメリカ在住日本人留学生が教える留学までの準備!
頻繁に連絡を取る
親から子供に連絡を取るのもいいでしょう。特に大学が始まってから初めの6週間は子供の環境構築において非常に重要な時期なのでこまめに連絡を取るようにしましょう。
この時期に頻繁に飲酒を行なっているようだと、その後の大学生活が懸念されます。
パーティーが行われるのが金曜の夜から土曜、場合よっては日曜日なのでその時間帯に合うように連絡してみてください。
責めるのではなく支える立場に立つ
実際に飲酒を行なっていたとしても、責め立てないように気をつけてください。
アメリカはパーティーや飲酒の盛んな文化があり、付き合う友人によってはパーティーに参加する機会もあるはずです。人間関係が広がったり、英語の上達につながったり、悪いことばかりではありません。
多少の飲酒には目をつぶって、その程度を確認してみてください。あまりにも頻繁(週に2回以上、日曜の夕方、平日)に飲酒を行なっているようであれば学業にも影響が出ている危険性があります。
まずは大学のカウンセラーに連絡をしてみて、それでもダメなら他に対策を取る必要があるでしょう。
まとめ
私はあまりパーティーに参加することが好きではなく、この2年間で3度しかパーティーに参加したことがありません。
地方のアパートメントに住んでいるというのも大きな要因です。飲酒をしたら誰かに運転を頼むことになりますが、私のアパートメントまで送ってくれる人が見つかる気がしません。笑
留学したての学生であればパーティーは良い社交の場となります。好きな人にはパーティーは非常に楽しみになると思いますし、絶対にパーティーがダメというわけではありません。
ブラジルから来ている私のルームメイトはパーティーに行くのを非常に楽しみにしていて、毎週末パーティーに出かけて行っていましたが、それでも問題に巻き込まれることなく、非常に良い成績を維持していました。
危険性を理解した上で適度に参加するように心がけましょう。
(参考文献:「What parents need to know about college drinking」)
インディアナ州のDePauw Universityというリベラルアーツカレッジでコンピュータサイエンスを専攻。現在はIndianapolisのITコンサルティング会社でSoftware Engineerとしてウェブ開発の仕事をしている。