先日郵便受けを覗くとアメリカ政府から一通の手紙が届いていました。
恐る恐る封を切ってみるとそこには何とも物騒な雰囲気の手紙が入っていました。
アメリカに来てから悪いことも、悪いことに関わりそうになることもやってきていない私には何の心当たりもありません。
手紙の内容
アメリカSelective Serivice System(日本語訳:選抜徴兵局)から徴兵のための名簿に登録することの催促の手紙でした。
もしも同じ手紙を受け取って困惑する人がいるかもしれないので念のために全文の日本語訳を載せておきます。
日本語訳
政府の記録によるとあなたはSelective Serviceに登録すべきであるのにもかかわらず、まだ登録を完了していません。オンライン上・電話・もしくは同封のAフォームを記入して送ってください。
もしもあなたが登録する必要がないと考えるのであれば、同封のSection Bフォームを記入の上、証明となる書類とともに送ってください。
正しいことを確かめて、もしも間違いがあれば訂正を行うようにお願いします。サインと日付の記入をして10日以内に送ってください。
もしも登録を行わないと連邦犯罪と見なされ、罰金の支払いと懲役に課せられることになります。加えて、登録を行わなかった人はアメリカの住民権を受けることができなくなり、職業訓練・ファイナンシャルエイド・政府からの雇用など、政府からの支援も受けることができなくなります。
*調べてみたところ以下のような罰になるようです。
登録を怠った場合、罪に問われ250,000ドルの罰金、または5年間の禁固刑になる可能性があります。また、登録しなかった場合、大学入学時などの奨学金( Pell Grants, College Work Study, Guaranteed Student/Plus Loans, and National Direct Student Loans. )を受けることができず、連邦政府関係への就職も許されません。(州によっては、さらなる罰がある場合もあります。)
(引用:Sweet Heart 世界子育てネット / http://www.sweetnet.com/draft.htm)
登録を行うことはこれらの利益を享受することの資格を守ることになります。私たちの目的はあなたを登録することであって、告訴することではありません。
もしも質問があれば1-888-655-1825に電話してください。
アメリカのSelective Serviceとはどんな制度なのか?
通称SSS。18歳~26歳までのアメリカ市民、永住権保持者、米国に不法滞在している全ての男児は、SSSに登録する義務があります。(非移民ビザで外交官関係のビザ、貿易関係のビザ、観光ビザや学生ビザで一時的にこちらに住んでいる男性は除外)米国大統領および米国議会は国の緊急事態、または戦時に軍隊の拡大が必要となった場合、SSSの登録リストから徴兵することができます。
フランクリン・ルーズベルト大統領が、1940年に設立しました。1948年から1973年にかけて志願兵だけでは足りない兵力を埋めるために徴兵が行われました。
(引用:Sweet Heart 世界子育てネット / http://www.sweetnet.com/draft.htm)
本来であれば18歳から26歳までのアメリカ市民・永住権所持者・不法移民がこれに登録することを義務付けられおり学生ビザで滞在している私は登録する必要はないのですが、自動車免許を取得したことで名簿に名前が載ったんだと思います。
実際に私が免許を取ったときには記入しなくてはいけない書類にSeletive Serviceについての同意の項目がありました。日本のために死ぬのも嫌なのにアメリカ軍に呼ばれてたまるかと思い、もちろんサインをせずにいたのですが、しつこく追い打ちをかけてくるようです。笑
大事なことなので重ねて書きます。学生ビザの身分でアメリカに滞在している限り登録する必要はありません。対処法については下を参照してください。
Selective Serviceから手紙が届いたときの対処法
2つの対処方法があります。(くれぐれも放置するなんてことしないようにしてくださいね!)
- 登録してしまう
- 必要書類を揃えて手紙を送り返す
登録する
私のように学生ビザ・もしくは就労ビザでアメリカに滞在している場合は登録する必要がありませんが、グリーンカードを所持している18歳から26歳までの男性は日本人であっても登録を行わないと上記のような罰に処せられます。
つべこべ言わずに登録しましょう。
余談になりますが、学生ビザの身分でもしたいと思えば登録することもできるとアドバイザーの方が言っていました。(登録したいという人がいるのかどうかわかりませんが。笑)
必要書類を揃えて手紙を送る
送られてくる封筒には2枚の手紙と1枚の黄色い封筒が入っています。
もしも学生ビザ・就労ビザ・その他の登録する必要がない方は送られてきたSection Bを記入の上、必要書類を同封し指定された住所に送ってください。
必要書類
- Section B
- I-94 (学生ビザの場合)
Section Bは封筒に入っている白い紙のことです。
I-94は留学生の身分を証明するための書類の1つです。昔は紙の書類でしたが今はオンライン上での管理に変更されているので、学校内のアドバイザーに印刷してもらうように頼んでください。
*I-20ではない別のものなので注意!!
学生ビザ以外のものはよくわからないので各自確認してみてください。Section Bに何が必要なのか書かれています。
(2016/05/26時点)
まとめ
正直これが始めに送られてきたときはかなり焦りました。
登録しないと刑務所に入れられるとか、住民権取れなくなるとか書いてありましたからね。
こういったトラブルがあったときには一人で対処しようとするのではなく、まず先に校内のアドバイザーに話をするようにしてください。
無事にことが済んで良かった。笑
ありがとうございました。
インディアナ州のDePauw Universityというリベラルアーツカレッジでコンピュータサイエンスを専攻。現在はIndianapolisのITコンサルティング会社でSoftware Engineerとしてウェブ開発の仕事をしている。