留学生の就職事情とは?アメリカ留学後の就職のために知っておくこと。
2017年当時の留学生へのインタビューを通して、アメリカ留学後の就職や専攻、キャリア準備について考えた記事です。

「はっちすたじお」というウェブメディアでライターをされているKarenさんからインタビューを受けました。Karenさんは、当時ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の3年次に在籍していました。
アメリカの大学では、必要な単位や専攻要件を満たせば、標準より早く卒業できる場合があります。
RELATED READINGクラスアメリカの大学で卒業単位をどう考えたか|留学中の履修計画アメリカの大学を卒業するための単位計画について、筆者が留学中に学んだ考え方と早めに確認する大切さを紹介します。読む →
繰り上げて卒業を考えていたKarenさんは、2017年5月にストーニーブルック校を卒業する予定でした。最終学期に残る21単位の授業に臨みつつ、就職活動にも励んでいるとのこと。非常に忙しい最終学期になりそうです。
私は大学を卒業後にはアメリカで就職したいと考えていて、厳しいと言われるアメリカでの就職活動について持っている疑問がいくつもありました。溜まっていた疑問を解決するために、逆にインタビューをさせてもらいました。
日本企業への就職
アメリカの大学に進学している日本人が日本企業への就職を考えるうえで、ボストンキャリアフォーラムなど、海外大生を対象としたキャリアイベントは一つの大きな選択肢です。
キャリアフォーラムの参加にあたっては、同じように海外進学している日本人とのつながりが非常に重要だとKarenさんはおっしゃっていました。先輩から就職の情報やアドバイスをもらえたり、キャリアフォーラムに関する情報も得たりすることができます。
日本人の多いアメリカの大規模大学には、就職をサポートする企業から情報が入ることもあるそうです。
やはり日本への就職では、日本人同士のつながりが助けになる場面があります。
2年間のコミュニティカレッジなどで英語環境を重視するのであれば、日本人が少ないことを利点と感じる人もいるでしょう。ただ、就職のことを考えると、日本人ネットワークやCareer Centerが充実した大学に進学する利点もあります。
アメリカ企業への就職
日系企業への就職のほかに選択肢として挙げられるのは、アメリカ現地企業への就職です。かなり難易度が高いと聞いていましたが、Karenさんの話を聞くと想像以上に大変そうでした。
ストーニーブルック校の卒業生でも、Karenさんが知っている範囲では日本人で現地企業へ就職した前例は非常に少なく、そのほかの学生は日本へ帰国しているとのことでした。
*アメリカ市民権や永住権など、雇用時にスポンサーを必要としない人はこの話とは条件が異なります。
日本人がアメリカで就職を考えるにあたって、当時大きく2つの壁を感じました。
ビザの壁
2017年の記事では「F-1からH-1Bへ変更する必要がある」と単純化して書いていましたが、実際には卒業直後から必ずH-1Bが必要になるわけではありません。
2026年現在、F-1学生は専攻に関連する仕事で最大12ヶ月のPost-Completion OPTを利用できる場合があります。対象となるSTEM学位で条件を満たせば、さらに24ヶ月のSTEM OPT Extensionを申請できる場合があります。
その後も長期的に働く場合、H-1Bなど別の就労資格へ移行するケースがあります。H-1Bには年間のCapがあり、Cap対象の申請では登録・選考プロセスがあるため、雇用主がスポンサーできるかは重要な要素になります。ただし、H-1Bだけが唯一の就労ルートというわけではありません。
Karenさんは、企業へ応募する際にビザサポートの有無を最初に確認していたそうです。外国人採用に慣れている企業かどうかを見る一つの手がかりになります。
RELATED READING就職留学生がアメリカ就職を考えるときに知っておきたいOPT・STEM・H-1B2017年当時の情報と筆者の経験をもとに、専攻選びからOPT・就労ビザまでアメリカ就職を考える際の論点を整理した記事です。読む →
この記事を書いた2017年当時、私はトランプ政権の発足を前に「今後ビザがさらに厳しくなるのではないか」と不安を感じていました。これは当時の私の予測として残しておきます。
RELATED READING文化危険なドナルドトランプの移民政策、アメリカ留学生の不安とは?2016年アメリカ大統領選の結果を受け、当時の留学生として移民政策や将来への不安をどう感じたかを記録した記事です。読む →
メジャーの壁
アメリカで留学する日本人の中には、国際関係学、ビジネス、社会学などを選ぶ人もいます。
RELATED READING就職英語はただのツール。グローバルに働くこととは?アメリカで働く将来を考える中で、英語力だけでなく専攻や専門性を持つことの大切さに気づいた筆者のキャリア考察です。読む →
当時の私は、現地で就職するには専門性の高い専攻の方がビザサポートを受けやすいのではないかと考えていました。これは今でも就職戦略として考える価値がありますが、「文系なら大学院を卒業しないと就職できない」という一律のルールはありません。
STEM分野では、対象となる学位で条件を満たすと、通常の12ヶ月のOPTに加えて24ヶ月のSTEM OPT Extensionを利用できる場合があります。つまり、合計で最大36ヶ月の実務訓練期間を持てる可能性があります。
STEMはScience, Technology, Engineering and Mathematicsの略です。コンピューターサイエンスなども、対象CIP Codeに該当すればSTEM OPTの対象になります。
OPTはOptional Practical Trainingの略で、F-1学生が専攻に直接関連する実務経験を積むための制度です。
文系でいえば、当時私は会計学も比較的専門性を示しやすい専攻だと考えていました。なお、会計関連の仕事すべてにCPA資格が必須というわけではありません。職種によって求められる資格は異なります。
まとめ
私自身、アメリカでの就職を正直甘く見ていました。Karenさんの話を聞き、ビザ、専攻、企業選びまで含めて早い段階から準備する必要があると感じました。
可能性は思ったよりも少ないように感じたので、残りの2年間の準備を入念に行っていこうと思いました。
専攻分野の知識を身につけつつ、インターンシップやボランティア、個人でのプロジェクトを通して、実績も身につけていくつもりです。
2017年の夏はアメリカに残り、インターンシップの機会を模索する予定でした。