日本の大学では多様性を高めるために留学生に奨学金を出しているところが多いですが、アメリカではその逆の図式となっています。
日本
日本の学生が学費を払い、留学生が奨学金を受け取る。
アメリカ
留学生は州内の生徒よりも多く(2倍から3倍)学費を支払い、奨学金の機会はアメリカ人に多く開かれている。
大学のウェブサイト等を見ても条件には、Permanent Resident(永住権所持者)と当然のように書かれています。奨学金のページを確認した人にはもう馴染みがあるかもしれません。
留学生が簡単に奨学金を獲得するのは難しいでしょう。ある程度範囲を絞って検索する必要があります。
個人的に日本の優秀な学生にこそ奨学金を渡すべきだと思いますが、日本のことは置いておき、アメリカの奨学金事情を見てみましょう。
田舎の大学を狙う
田舎の大学は留学生が少なく、多様性を高めるために奨学金を出しているところがあります。
例えばアイオワ州立大学は州立大学なのにも関わらず、留学生に奨学金が出ています。
私の通っていたアイオワ州は留学生を促進しているため、コミュニティカレッジの学費も州内の生徒とほとんど変わりませんし、州立大学の多くも留学生用の奨学金を用意しています。
とは言っても州立大学のため、私立大学のように学費の50%をカバーするような奨学金は出せないようです。
参考に奨学金詳細へのリンクを貼っておきます。
例:アイオワ州立大学(University of Iowa)、ミネソタ州立大学(Minnesota State University Mankato)
これらはほんの一例で、留学生用の奨学金を出している大学は中西部を中心に多く存在します。
私立大学を狙う
州の税金で成り立っている州立大学と違い、比較的自由にお金をやりくりできる私立大学の方が留学生に奨学金を出す割合が高いです。
州立大学の方が学費が安いことが多いですが、奨学金を含めると私立大学の方が安くなることもあります。私の場合もそうでした。編入次にいくつかの大学に出願しましたが、学費の50%から最大で75%までカバーする奨学金を得ることができました。
私が出願し、実際に奨学金のオファーを頂いた大学のリストを参考に挙げておきます。田舎の大学のリストと同じように、留学生用の奨学金ページへとリンクしています。
例:Cornell College, DePaul University, Drake University, DePauw University, Carthage College, Southwest Baptist University
ちなみにここに挙げた大学の全てが私立大学で、奨学金の額も学費の50%を超えるものばかりです。学費も非常に高いですが、、、
サシで交渉する
日本の感覚から考えると笑ってしまうような方法ですが、非常に効果があります。
ある編入生のためのセミナーでアメリカ人の学生からこの話を聞き、試してみたところ本当に効果がありました。
条件としてはGPA・スポーツ・課外活動・アートなど何か尖った特徴がなければなりません。(強気に交渉するので。笑)私はGPAと校内での国際交流活動を強みに大学アドミッションと話を進めました。
別の大学から奨学金を提示する
私はいくつかの大学から奨学金付きで入学許可をもらっていたので、それを他の大学のアドミッションに提示することで奨学金の額をあげてもらいました。
「〇〇大学からは〇〇ドルもらっているんだけど」なんて言ってみると「そこまで上げられるかわからないけど、相談してみる」となります。
結果的に3つの大学を競わせることになり、奨学金の額がそれぞれの大学で上がりました。
ウェブサイトには〇〇ドルの奨学金と書かれていますが、実際に別口で資金が用意されており、いざというときには別の名目で奨学金が出るんです。
編入生への奨学金は?
ちなみに奨学金は1年生に最も多く開かれており、編入生への奨学金で学費の全額をカバーするものはほとんどありません。編入時にかなり多くの大学を調べましたが、一つしか見つけることができませんでした。
高校の成績がよく、英語力もある人は、コミュニティカレッジに進学して学費を節約するよりも、直接4年制大学から奨学金をもらってしまう方が良いかと思います。
この記事を読んでいる人の中には新一年生も多くいると思うので、編入に関してはまた別の記事にまとめます。
インディアナ州のDePauw Universityというリベラルアーツカレッジでコンピュータサイエンスを専攻。現在はIndianapolisのITコンサルティング会社でSoftware Engineerとしてウェブ開発の仕事をしている。