リスニング。それは帰国子女だったり、小さい頃から英会話教室に通っていたという人でない限り、誰もが直面する問題だと思います。
初めてアメリカに来てから一年が経ち、問題なくリスニングを行うことができますが、アメリカに来てから数ヶ月はとても苦労しました。
日本にいた頃は英語で多少の会話は出来ているつもりでしたが、私が会話をしていたのは日本に長く住み、日本人の英語に慣れている外国人でした。
彼らは日本人である私たちが聞き取りやすいように話しているので、英語が聞きやすいのも当たり前です。
一方アイオワ州に来た初めの数ヶ月は、現地の人の会話がとても早く感じられ(発音も少し違っていて)、簡単なことも聞き取れなかったことを覚えています。(アイオワ州は人種の多様性が他の州に比べて低く、他の国から来た人とコミュニケーションをとることに慣れていません。そのことについてはデメリットのひとつとして詳しくまとめました。)

聞き取ることができないから会話をすることを恐れてしまい、部屋に引きこもりがちになってしまいました。
そして結果的に聞き取りの練習をする機会が減るという悪循環に陥ります。
リスニングができない人は会話の機会を失っている!?
リスニングができない人は以下のことを経験するはずです。
- リスニングができない
- 人と会話をするのが怖い
- 部屋に引きこもってしまう
- 話をしないから英語が上達しない
- 英語が上達しないまま、帰国
言いたいこと伝わらなくてもなんだかんだなんとかなるものです。ですが相手の言っていることを聞き取れないと完全な一方通行で、全く会話が成り立ちません。
会話が成り立たないことを恐れて部屋に閉じこもり、英語が上達することがないまま、日本へと帰国ということになってしまうのです。
そのようにならないために必要なことは「リスニング力」と「メンタリティー」の二つ。
今日はこの2つのうちのリスニング力を上達させる方法を見ていきましょう。
リスニングを上達させる3つの方法
発音の仕方を理論的に理解する
皆さんご存知のように、ある程度歳を取ってしまうと耳の発達は止まり、他言語の習得は非常に困難になります。
ある調査では12歳から13歳までがネイティブの発音を身につけることができるとあります。
だからといって発音を聞き取ることができないのでしょうか?
いいえ、そうではありません。ネイティブのように感覚で学ぶことができない(とても難しい)代わりに論理的に発音の仕方を身に付ける必要があります。
例えばVとBの発音の違い、母音のa(aには二種類の発音があります。例としてはbadは「バット」ではなくて『バァェト』ようになります)を発音するときにはどのような口の動きをするのかなど。
耳から理解することができないことから頭で理解してしまおうという考えです。
発音の仕方を形式的に理解するのは本を使ったり、動画を見たり、いくつか方法がありますが、私はこの本を使って勉強することをオススメします。
薄くて簡単に読めてしまう本でありながら、必要なことはすべて詰まっています。
発声の際に気をつけることを写真付きで載せているのでとてもわかりやすいです。私は発音の基本はすべてこの本から学びました。
わざわざ本を買いたくないという人は、今では多くの人がYoutubeに発音についての動画をあげていますから、それを参考にしてもいいでしょう。「英語 発音」「English pronunciation」と検索すると多くの動画が見つかります。
注意深く聞く
留意深く聞くと言っても、ただ注意深く聞いていれば言い訳ではありません。これでもかというほど真剣に集中して全身全霊で聞くことが重要です。
上手くリスニングをすることができないのは日本語にはない英語特有の音を聞き取ることができない耳(脳)の問題です。
脳はとても上手く作られていて、必要な音だけを聞き取ることができるように、不要だと感じる音を自動的に消してしまいます。日本で長年生活するにあたって、日本語で必要な音だけを聞き取れるように鍛えられているのです。だから日本語にない特定の音が聞き取れず、リスニングが苦手のように思えるのです。
日本語にはない英語特有の音を聞き取れるようになるためには、耳がその音を拾うことができるように、耳を開発する必要があります。聞き取れない音を聞こえるようにするというのだからただならぬ努力を求められるのは言うまでのありません。
1つ目の「発音の仕方を論理的に理解する」と組み合わせて、理論的に発生の仕組みを理解しつつ、耳を鍛えるといいでしょう。
極限の集中を持って聞こえない音を聞こうとするため、これを終えた後には脳は疲労感でいっぱいになるはずです。留学当初、昼寝なしには夕食まで集中力を保つことができませんでした。
ちなみに聞き流すというタイプの教材がありますが、あれは効率が悪いです。聞き流すだけではいつまでたっても脳が必要なものだと認識することはなく、上達することはないでしょう。逆に聞き流す教材を使った後には、脳はそれを雑音のような聞き流すべき音として捉え、逆効果になります。
ネイティブの口の動きを見る
これはどうしても聞き取れなかったときに私が取った苦肉の索です。
上の2つの「発音の仕方を形式的に理解する」と「注意深く聞く」を基礎として、実際にネイティブがどのように発音をするのか観察します。
このような口の動きをすれば、このような音が出るというのを徹底的に研究し、頭に叩き込みます。
今ではこれが功を奏して、英語を聞けば自然と口の形が想像できるようになりました。
口の形がイメージできるようになればしめたものです。
まとめ
リスニングは一日二日で身につくような簡単なものではありません。プロ野球選手がスイングのフォームを身につけ、何百、何千と繰り返し素振りをするように繰り返しの地道な努力が欠かせません。
そのプロの選手も適切なフォームを身につけていなければ大きな結果は出ないでしょう。
この3つの方法はそのフォームの部分にあたります。
- 発音の仕方を理論的に理解する
- 注意深く聞く
- ネイティブの口の動きを見る
正しい方法で、地道な努力を積み重ねれば必ず結果はついてきます。日々の努力と、実践あるのみ!

インディアナ州のDePauw Universityというリベラルアーツカレッジでコンピュータサイエンスを専攻。現在はIndianapolisのITコンサルティング会社でSoftware Engineerとしてウェブ開発の仕事をしている。